宇宙エレベータ本

先月、宇宙エレベータ関連書籍を2冊読んだ。一冊は宇宙エレベータ設立のプロパガンダ書、もう一冊は古典。
個人的には軌道エレベータというほうがしっくりしてたのだけど(そういえば、はじめて映像で軌道エレベータを見たのはブルーノアだったかな)、よく考えてみりゃ軌道上のエレベータじゃないもんな。
WikipediaのエントリSpace elevatorは読み応えがあるね。

宇宙旅行はエレベーターで

宇宙旅行はエレベーターで

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

宇宙旅行はエレベーターで」は2029年の宇宙エレベータ実現を目指す著者グループによる書籍。ランダムハウス講談社の書籍は他にも何冊か買っているが、この書籍も誤植が目につく。原著のAmazon.com: Leaving the Planet by Space Elevator: Philip Ragan, Bradley Edwardsがフルカラーだったかどうかわからないけど、この本はイラストレーションが黒々としていて、ちょっと見づらい。
書籍の面白さと読みやすさはちょっとした誤植なんかで損なわれていない。
設立のために走り回っている著者たちがプレゼンテーションしている内容なんだろうけど、政治や費用算出、火星や月での宇宙エレベータ建設など、幅広い内容がさらっと紹介されているので私は大いに楽しんだ。
実現させるための説得力は……難しさの方に意識がいっちゃった。これは個人差があるだろうな。
「楽園の泉」で描かれていた地上側の基地設定の問題や、「レッド・マーズ」での倒壊の危険などにページを大きく割いているので、先に読んでいるとちょっとニヤリもの。
宇宙旅行はエレベーターで」には、2006年8月に書かれたA.C.クラークの序文も寄せられている。私が読む最後のクラークの文章になってしまうような気がする。

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)」は先日亡くなったA.C.クラーク先生が描く宇宙エレベータを題材にしたSF。
50年代のSFのようなスケールを感じる、建設に至るまでのぶっといストーリーも見事だけれど、ちょっとした脇道で予見されている未来がまさに今いる現実だったりする。RSSリーダーでニュースを集めている(しかも、ニュースリーダーのキーワードとフィード相当の設定を年の初めに再設定する習慣なんて、まさに私が今やってることだよ)としか思えないような記述なんかもあったりする。
ティーブン・バクスターとの共著本の方も読んでみたいな。邦訳でてるのかな?