道具の作り方

誰でもいいから、まじめにそのツールに向き合ってくれるユーザを1人確保して「君のためにツールを作ってあげる」。てのが一番の近道かと。そのユーザが若干おかしな使い方をしても*1、他のユーザはそのユーザに近づけばいいんだ。年に一回しか使わないようなユーザのために道具を作るのは不毛だよ。
例えばGimp。機能的には現状の1%もいらないよ。開発者の彼女がウェブサイトやるためのツールとして喜んで使える状態なら、Photoshopまでは不要なユーザをがっちり取り込めるのではないだろうか。
その次の段階で、自分や友人が欲しい機能を追加していく。機能を追加し続けていくと当然のごとく使いにくくなっていくけど、彼女が「もーいや。わかんない」て言い出したら、メジャーバージョンアップで全直しすればいい。
もちろん多少使いにくくてもいい、Adobeツール持ってるし置き換えできなくてもいい、マクロで処理を追加できるんだ!!開いてちょっと処理かけたら保存するだけだからインターフェイスなんか知ったことか!!てつもりで作ってるなら、それはそれで幸せなことかもしれないし、私はそれでもいいと思ってるからCinepaintを使うんだが。
AppleAdobeMicrosoftが本気ですごいと思うのは、あれだけの汎用性を抱え込みながらきちんと使えるインターフェイスになっているところと、もう一つ。開発者が行える技術の使い道を、ユーザに使ってもらえるようなUIで提案できるディレクターの存在なのだろう。もちろんバージョンアップで増えた直後の機能はぎくしゃくすることも多かったりするけど、次回やその次のバージョンアップではこなれてくるもん。
ただ、「オープンソースエバンジェリストの盲点」で語られているような、一年に一回しか使わないようなPC設定のためのユーティリティが、そういう「道具」である必要もないだろうけどね。Webサイトと同じような共通言語で作られているほうが幸せになれる。もちろん、ネットワークプリンタを毎日数十台セットアップして回るような人には「道具」が必要だが、それこそオープンソースの得意とする分野だろう。コンソールで操作する方が楽だろうし。
ま、いえているのは。AT*2とか言うような奴らには道具も共通言語のインターフェイスも作れるはずがないんだろう。

*1:左利きだったり、多ボタンマウスを2個とか繋いできっちり使い込んでいたり、テンキーなかったり、9ptで100行超えるソースを17inchモニタで表示させてたりするとマズいだろうが……

*2:初心者や身近にいるPCが苦手な人たちをティリーおばさん、と称するらしい。なんじゃそりゃ。