iPhoneで接写する

iPhoneのカメラは立派だ。カタログスペックこそ200万画素と前時代的だけど、普通に写真が撮れる。3インチの液晶をフルに使ったファインダーのせいもあるけれど「写真」を撮りたくなるカメラであることは間違いない。
下の二つのリンクには、私がiPhoneで撮影した写真がアップされている。
Flickr: Your stuff tagged with from iPhone
TwitPic / t_trace

もちろん、iPhoneのカメラにはいくつか不満がある。固定焦点のカメラだってことを割り引いても、ちょっとなんとかしてほしい部分だ。

  1. マクロがない
  2. 露出の固定ができない
  3. シャッタータイムラグが大きい

露出については、今後ソフトウェアでなんとかなるだろう。タイムラグは……もっとひどいデジカメがあることを考えると贅沢を言い過ぎか。
最後に残るマクロ、接写。これは必須なんだよ。特に,常に携帯するカメラならばなおさら接写したいネタに出会うことがあるんだ。

そんな日々を悶々と過ごしているときに、Twitterのつぶやきで知ったのがeyeMobileのアタッチメント接写レンズ。
eyeMobile 接写レンズ KC-1
見た瞬間に注文した。

注文して数日後、iPhone 3G用のアダプタ(後述)が品薄なため、発送が遅れますごめんなさい。というメールが来たのだけど、その翌日の今朝方到着した。なにか手違いが遭ったのだろうけど,とりあえず入手できたので満足。

KC-1

アルミニウムのフレームにガラスレンズ(一群一枚)がはめこまれたフレームを、プラスチックのクリップに挟み込んでいる。
このプラスチックのクリップでiPhoneを挟み込んで、クローズアップレンズをiPhoneのレンズの前に配置して、撮影を行う。レンズ部分の根元に見える茶色の皮がiPhone 3Gアタッチメントだ。見た目は正直美しくないけれど、皮という選択は正解ではないかな。本当ならゴムの筒がいいのだろうけど加工が面倒だしね。
eyeMobile KC-1 close up lens for iPhone

iPhone 3Dに装着した状態はこんな感じ。
eyeMobile KC-1 close up lens for iPhone
アタッチメントのおかげで,光軸をまっすぐに保つことができている。KC-1自体はマクロのないすべての携帯電話用に作られているのでiPhone 3Gだけにベストフィットする訳じゃないから、すこし不格好だ。専用製品出してもいいと思うのだけどなぁ。

撮影中はこんな感じ。
Using eyeMobile KC-1
実物よりも大きくクローズアップされて撮影できるのは面白い。実際に撮影した写真はこんな感じだ。

Close up photo taken iPhoto

傷だらけでかっこわるいな。高硬度ガラスが出る前の古い時計なんで、細かい傷だらけだ。今度磨いておこう。

ピントを調節できると思い込んでいたのだけど、この構造じゃ無理だよね。ピントが固定されていることで大きな制約がある。決まった距離からしか撮れないんだ……ってことは、すべてが同じスケールでしか撮影できないんだよ。腕時計の文字盤を全部収めたくても、無理w。

まぁ、固定焦点のカメラなんて中古カメラ屋さんに行けばいくらでも売っているし、そんなカメラで写真芸術やってた連中だってほんの数十年前はごろごろいたわけなんで、この固定焦点という縛りは、それなりに楽しんで撮影できる。

レンズの性能は……接写ができる以上のものではないね。見てわかるように収差、歪曲ともにとっても大きいけど耐えられないほどじゃない。大きなレンズなので明るさは十分ある。そんなところかね。汎用のクローズアップレンズ(しかも2千円ちょっと)にそんな性能を求める方が間違ってるから、これでいいと思う。

繰り返し使える、持ち歩ける、オリジナルプロダクトの設計をスポイルしない。その3点だけで十分評価できるよ。

とりあえず、満足。持ち歩くガジェットが増えてしまった。