いい人やってみる*2

id:technogirlさんに個人的には、 id:t_trace さんの はてな は大好きです。(内容も、見た目も)とコメントをいただきました。ありがとうございます。
私が集中的にWeb制作を仕事としていたのは2〜3年前でした。当時既にクライアントである企業の内部や最終的な閲覧者である一般ユーザーのブラウザはInternet Explorerのver5以降へ移っており、レガシー系列のNetscapeはメンテナンス体制に入っていたと記憶しています。MacでもIE 5が登場して、きちんとしたHTMLでCSSを使ってデザインしても大丈夫であったわけです。
それでも、代理店でPやらDやらしてる層はMacユーザー、それもNN4.xをしつこく使い続けてている率が高いこと、また企業クライアントの場合生産に直結しないハンコを押すだけの人の使うマシンやブラウザがメンテされていなくて素のWin98にIE 3だったり。それでも「部長のマシンではきちんと見えるように」なんてことで、テーブルとspacer.gifでギチギチに締め上げ、文字のサイズをpixelで固定するため、行の高さをWinとMacで同じにするためだけにCSSを使ってました。
はい。私はHTMLを汚すことに加担してた一員です。今でもそういう依頼がくるなら、事前に説得はする*1でしょうけど最終的な仕様が「NN4.x、IE4.5 for MacIE 6 for Winと書体以外同じスクリーンショットがとれる」になったら汚れたHTMLを書くだろうな。仕事ないしさ(笑
「デザイン」と言う言葉がワヤで。デザインの頭に「服飾」・「インダストリアル」・「カー」・「建築」とかつけると判るんですが「見た目」だけのことじゃぁないんだよね。どちらかというと「設計」とか「立案」「施行案」という言葉の方がしっくりくるんじゃなかろうか。
普通のデザが扱うグラフィックは多くの場合紙のサイズ、印刷方式、原稿などが決まってる状態からスタートするから、やる仕事と言えば情報が正しく伝わる設計(レイアウト)と美しいフィニッシングなんだよね。4,000年近く続いていて、少なくとも日本で紙に活字を使って印刷すると限定しても100年以上の歴史があるグラフィックデザインの技法と違って、Webデザインでは初期状態を通常の印刷物よりも自由に設計できるし、確固たる手法もない。文字のレイアウトに関してはグラフィックの手法がそれなりに使える*2んだけど、サイズが変わることや表示面の縦横比を見る側で変更できてしまうことなど、従来のグラフィックでは不変と思われてきた土台がガタガタになってしまう。
人それぞれだと思いますが、私はこの状態を刺激的に感じています。グーテンベルグやアルダス・マヌティウスも同じ楽しさを味わっていたんだろうな。

*1:最近だとCSSで部分的に作って更新のやりやすさと美しさを見せて、それでもテーブルで締め上げますか?と聞くこともある。担当者レベルは納得した。ぜひとも次の更新でやりましょうとは返ってくるんだが不況で「次の更新」が来ないんだよねぇ(笑

*2:見出しを大きくとかな(w