読了

鑑定団でおなじみの中島誠之助氏による著作。骨董しらない身には全くわからない約束事の織りなすワンダーワールドで「プロフェッショナル」として生きている著者が自ら恃む「目利き」としての矜持を堪能。江戸っ子っぽく軽妙な文体だが美に対する真摯な姿勢は見習うべきだなぁ、などとつらつら考える。
母親が焼き物を本格的にやり始めたのだが、多分今度の帰省でも絵付けなどすることだろう。昨年とは違うレベルの絵をつけられるとよいなぁ。

ニセモノ師たち (講談社文庫)

ニセモノ師たち (講談社文庫)

こんな作家がいたのか。これは85年から92年に上梓された短編を集めた文庫本だが、全く古さを感じさせない。表題の中編「かたどられた力」はそこそこだが、一本目の「デュオ」はすばらしい。表現者の心理描写が正しいとか正しくないとかではなく、説得力を持って迫ってくる小説は無条件に好きだ。新作の「グラン・ヴァカンス」シリーズも必読だなぁ。
象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

次はバラードでも読むかなぁ。