改めて、音楽を聴いている。(Harbeth Monitor 20)

Klipsch Image X10を購入したあと(Klipsch Image X10 のレビュー)最近、家でも音楽を聞くようになり、先月、Harbeth Monitor 20を購入した。ちょっとした液晶テレビよりも大きなお買物になってしまったが、結果からいうと大満足。

Harbeth Monitor20GJ(ペア) スピーカー
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ハーベス
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Harbeth Monitor20はいわゆるピュアオーディオファン向けのリスニング用に作られたスピーカーではなく、BBCでナレーション・レコーディングのモニタリングを行うために開発されたスピーカーだ。そのため、ピュアオーディオ特有の所有欲を満たすインテリアとしての装飾(どーにもださい飾りばっかりに見えるんだがな。あの成金趣味何とかならんのかな)は一切ない。188×305×198mmという小ぶりな本体の表面処理は軍艦色のウレタン塗装。バスレフのない密閉型なので背面ものっぺりしている。そしてここだけ民生用に交換された、グレーの箱から直接生えている端子。

そう、これは「機材」なんだ。

発する音にも余計な装飾がない。腹を揺るがすような(個人的には吐き気がする)重低音や、磨き上げられたガラスに喩えたくなる煌びやかなな高音でソースを飾り立てるようなことはない。低温から高音まで切れ目なく存在感のある音楽が流れてくる。買ったはいいけど聞いてなかったJazzのライブ録音やクラシックも大音量じゃなくても楽しく聞くことができるようになった。圧縮音源では満足できなくなってしまったのは大きな誤算だったが……

アンプや住宅の環境のせいで実音のスケールを感じられるほど音量を上げたことはないのだけど、小さな音でも演奏のニュアンスは伝わってくる。リスニングルーム用の機材ということもあってか、長時間音楽を流していても聞き疲れしない。これもうれしい。

当初の目的だった音楽が楽しめるようになったのは当然として、本当に驚かされたのはDVDで映画を観た時だった。登場人物が話し始めた時、まるでそこにいる人が話しかけてきたかのような言葉の存在感に、比喩でなく鳥肌が立った。リスニングルームなんて豪勢なものを用意できる訳もない借家住まいなので、ステレオ定位もいいかげんな状態で、目の前から話しかけてくるような存在感が出てきたのは本当に意外だった。また、後ろにスピーカーなんかないのに背後から聞こえてくるかのようなリアエフェクトにも驚かされた。5.1ch使ってるときは一度も感じなかった臨場感に思わず振り向いちゃったぐらい。映画のサウンドエンジニアリングってすごいんだな、ってことに気付かされた。そもそもステレオの実用化はオーディオよりも映画の方が早いんだよね。

今のところ一番聞いているソースはiTunesに無圧縮で取り込んだCD音源。これをAirTuesでAirMac Expressに飛ばして、オプティカルケーブルでアンプへ繋いでいる。iPod touchiPhoneのRemoteで200枚位のライブラリからすぐに曲を取り出せるのは楽でいい。寝る前なんかはGeniusのプレイリストで1時間位小さな音で流したりする。

SonyのDVD/CDプレイヤーからRCA出力でつないでもいるのでCDを掛けることも多い。プレイヤーの性能がそんなに良くないので音は圧倒的にiTunesから流れてくる無圧縮音源の方がいいけど、CDを選んで掛けるのは楽しいので、CDスタンドも自作した。こういう楽しみはatomなメディアならではだ。
CDスタンド自作 - Underconstruction by Taiyo@hatena
simple CD stand


スピーカーはリビング・ダイニングの角の床にスタンドも使わず置いてあるだけ。アンプは数年前に妻が買ったaiwaのMDミニコンポなので、スピーカーを取りまく環境はMonitor 20に全く相応しくないけれど、ゆっくり時間をかけて環境を整えていくつもり。